i-Perception誌に,研究室の新しい論文が出ました。
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/20416695231209846
Yizhen Zhou and Hideaki Kawabata (2023). Eyes can tell: Assessment of implicit attitudes toward AI art. i-Perception, 14(5), 1–14. DOI:10.1177/20416695231209846journals.sagepub.com/home/ipe
【概要 Abstractの日本語訳】
人工知能(AI)の進歩により、機械の能力は著しく向上した。芸術創作のような人間特有の能力は、今やAIによって挑戦されつつある。最近の研究では、人間が制作したアート作品とAIが生成したアート作品に対する人々の態度を調査・比較している。その結果、後者には否定的なバイアスが存在する可能性が示唆されている。しかし、これらの先行研究では、このバイアスの程度を調べたものはない。本研究では、AIアートに対するバイアスが暗黙のレベルで見られるかどうかを調査する。AIアートに対する視聴者の態度は、視線追跡測定と主観的美的評価を用いて評価した。視覚的注意と美的判断は、人間が作ったものとAIが作ったものに分類された作品間で比較された。その結果、AIが作成したアート作品を識別することは困難であったが、AIアートに対する暗黙の偏見が見られた。参加者は、人間が作ったと思われる絵画をより長く見ていた。主観的評価において、絵画の分類による有意な影響は見られなかった。これらの結果は、人間とAIの芸術は同様の美的価値を持っていると認識されているかもしれないが、AI芸術に対する暗黙の否定的偏見が存在することを示唆している。AIは創造的な仕事をこなせるようになったが、芸術的創造性は依然として人間の特権であると考えられている。